ABOUTセンター概要
人文・社会知は現代の諸課題にどう立ち向かうか

グローバル⽂化・社会研究センター⻑岩津 航
令和6年は能登半島を地震と水害が襲い、石川県にとって重い一年となりました。被災された方々に、心よりお見舞いを申し上げます。一日も早い復旧・復興を念じるとともに、被災地にある大学としてどのように貢献できるのか、考えていかなければなりません。
能登半島の地震と水害ではさまざまな被害が生じましたが、地域で保存されてきた習慣や風習、あるいは文献といった重要な文化遺産が消失の危機にあることにも注意すべきでしょう。地震や水害は自然災害ですが、それが文化と社会に与える被害が何であるかは、人文学こそが理解し、今後の未来に向けて、被害をどのように食い止めることができるか、提言できるはずです。
自然災害は偶発的に生じますが、私たちが生きていた社会や文化は、情報技術の発達や人口構成など、多くの原因で、しかもすさまじいスピードで変化しつつあります。これら社会が直面する諸課題に対して、人文科学や社会科学の果たすべき役割は極めて大きいと私たちは考えています。そこで金沢大学人間社会研究域の研究者が集い、それら諸課題に向き合い、議論し、研究成果を発信していくべく、本センターを設立しました。メンバーは文学・社会学・経済学など、さまざまな領域の研究者によって構成されています。また、海外の研究機関を含む学外の研究者との連携も強化し、研究上の成果を集約して、現代社会の諸課題に対応する処方箋を差し出そうというのが本センターの役割です。
金沢大学人間社会研究域の研究者は、これまでも個人として優れた研究成果をあげてきましたが、本センターでは共通の大きな課題に対してその知見を持ち寄り、共同研究としてそれを練り上げ、社会に向けて還元・提言をしていきます。すでに各部門では活発な議論が始まっており、相互の研究上の知見を生かしてよりスケールアップしたや研究成果の公開が進んでいます。社会変革の時代に、人文知が大きな課題に立ち向かっていくための基盤として本センターが機能していくよう、力を尽くしていく所存です。どうぞご期待ください。
研究センターについて
本研究センターはグローバル・レジリエンス研究部門、越境文化研究部門、デジタル社会構造・変革研究部門の3部門よりなります。さらにその中でいくつかのプロジェクトが稼働しています。
