金沢大学人間社会研究域附属 グローバル文化・社会研究センター

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[学会発表報告] 2024年6月16日「総合人間学会第18回大会」/前野清太朗特任助教(グローバル・レジリエンス部門)

 2024年6月16日、前野清太朗特任助教(グローバル・レジリエンス部門)が学習院大学で開催された「総合人間学会第18回大会」内のワークショップ「宗教生活のダイナミズム」に登壇し、口頭発表「再宗教化する死者への儀礼
―日・台2社会からの試論」を行いました。

http://synthetic-anthropology.org/?page_id=9

報告要旨

 葬送と造墓は通文化的に確認される儀礼である。東アジアを対象にした死者に対する儀礼の研究では、この2種の儀礼に加え、祖先祭祀という3つめの儀礼を加えた分析が長らくなされてきた。本報告では、台湾漢人および日本の真宗地域を事例に取り上げ、3種の儀礼を説明する論理の歴史的変動を、2種の正当性―オーソプラクシー(orthopraxy)とオーソドキシー(orthodoxy)―の転換という角度から分析する。分析を通じ、祖先祭祀が読み替えられ葬送と造墓に接近する現代的状況において、ある種の宗教性がむしろ強化される側面について指摘を行いたい。